ユーザーの運用例(カスタマイズ情報につきましては、3DxEPのページを参照してください。)
アプリケーション: SOLIDWORKS
3Dコネクション使用製品:SpaceMouse Enterprise、 SpaceNavigator
3Dマウスについて
私は右手首に腱鞘炎があり、長時間マウスを使用すると手首に痛みがありました。そこで、どうにか手首の負担を減らそうと何か解決策を探していた時、3Dconnexionの3Dマウスに出会いました。
3Dマウスは、左手だけでオブジェクトを回転したり拡大縮小することができ、マウスはその後に、選択したりするような使い方になりました。そのため、今まで右手にかかっていた負担を左右に分散することができ、右手が随分楽になりました。
また、最初はスムーズに操作ができなかったのですが、慣れてくると、あたかも画面の中のオブジェクトを直接触っているかのように、直感的に操作できるようになりました。これは魔法のようです。3DCAD等の3D空間に慣れていない人ほど、より自然に操作できると思います。今では3Dマウスは、私にとって仕事に欠かせない大切なツールとなりました。
<3Dコネクション社製品のカスタマイズ情報>
ご担当者談
いろいろとコマンドの割り当てをテストしておりますが、現在、SpaceNavigatorのボタンに割り当てているコマンドを紹介致します。
■ 左ボタン:ローテーションオン/オフ
右ボタン:Shiftキー
■説明
左ボタンは「ローテーションオン/オフ」、右ボタンは「Shiftキー」に設定しています。
「ローテーションオン/オフ」を使うと、3Dマウスの動きをパンとズーム操作だけにすることができ、平面として操作できます。モデルの向きを変えたくない場合は、この状態で操作すると便利です。
「Shiftキー」は、複数の選択時(たとえば、フィレットの際のエッジ選択等)に、押しながらマウスで選択するのに使います。以前は、複数選択の度にキーボードの「Shiftキー」を押していましたので、3Dマウスから手を離さず操作できるようになりました。
以上
3Dコネクション使用製品 | Space Mouse ProTM |
---|---|
アプリケーション | NXTM |
静岡県浜松市に本拠地を構えるスズキ株式会社 は、優れた軽自動車に知られる四輪車、そして二輪 車、船外機という三本の柱を中心に、事業を進める 世界有数のメーカーです。同社では、それらのすべ ての製品群において、ハイエンドの3DCADとPLM をフルに活用する最先端の環境で開発を進め、お 客様にとって優れた機能、ユーザビリティとコスト パフォーマンスのバランスを満たした製品を実現
しています。 そのような環境で開発を進める技術者たちがさ ら に 、そ の 持 ち 得 る 能 力 を 存 分 に 発 揮 す る こ と を 側面から支援しているのが、すべての3DCAD端末 に装備されている3Dconnexionの3Dマウスであ る「SpaceMousePro」です。実際、何からの理由で SpaceMouse Proが使用できない状況になった時 には「これでは効率が悪くてたまらない」という声 すらユーザから聞かれるほどです。
スズキにおける3Dマウスの活用は、3DCADの 製品開発への本格的な適用と時を同じくしていま す。同社のITサポート部第一課長の石野昭彦氏は、
「3DCADによる製品開発が始まった時から、弊 社 で は 3 D マ ウ ス を 使 用 し て い ま す 。そ の た め 、実 は使用前と使用後という比較ができないのです。
私たちにとっては、3Dマウスが開発環境にある、と いうことはごく当たり前のことなのです」と述べて います。 同社では、主力事業分野の製品開発のすべてに おいて3D CADのNXを活用しています。開発プロセ スの視点でも伝統的なユーザ層である設計部門だ けではなく、上流である意匠から、生産技術、検査 などの業務全般に一気通貫で活用しています
多くのメーカーにおいて、3DCADを使用するのは 設計者ではなくモデラーである、ということも珍し くはありませんが、スズキにおいては設計者自身が 3DCADを使用します。「設計者自身が設計をして、 かつ自分もモデリングをする。自分で考えて自分で 具現化する、ということがスズキのポリシーなので す」と石野氏は述べています。設計業務の中では、 モデリングや検証の作業の中で、頻繁にモデルの 拡大や縮小、パンや回転などの操作を行い、周りと の干渉を様々な方向から見る必要があります。一般 的には、これらの操作はマウスのみで行いますが、 一旦モデリングの操作を中断して行うことになり、 思考の中断などにもつながってしまいます。
ところが、SpaceMouseProを用いることで右手での 作業を中断することなく、視点の移動を自由に行う ことができるため、業務の効率化につながっていま す。 SpaceMouseProのハードウェアとしての品質もさ らに効率化に一役買っています。SpaceMousePro は、非常に能力の高いハイエンドの3DCADの能力 を存分に活用することも可能なファンクションキー も備えたものですが、使い勝手の観点からも優れた デザインになっています。石野氏は、「CADユーザの 多くは、SpaceMouseProに対して持った時のフィッ
ト感や、ほどよい重さを感じているようです」と述べ ています。このようなエルゴノミックな観点からも、 業務の効率化に貢献しています。「普段設計者が自 分の席を離れて業務をすることは、それほど多くは ありませんが、そのような場合でもデザインレビュ ーを行う場所にも、NXとともにSpaceMouseProが 準備されているので問題ありません。出張において 社外でCADを操作しなければならない時にはじめ て、実はその環境が当たり前でないことに気がつく ようです」と石野氏は続けるほど、スズキの設計者た ちの日常に3Dマウスは存在しているのです。
3Dマウスの活用は、設計部門にとどまりませ ん。NXが活用されている生産技術部門などでも、設 計されたパーツを様々な方向から確認したり、金型 設計では形状の確認だけではなくパーティングライ ンの検討なども必要です。3Dモデルを操作する上 で、視点の移動や回転は業務を問わず頻繁に行う作 業です。つまり、設計者にとどまらずNXを使用するす べて技術者がSpaceMouseProのメリットを享受して いるのです。 SpaceMouseProのメリットは、モデルの視点の 変更をやりやすくする、というだけではありませ ん。SpaceMouseProには、CADのコマンドをファン クションキーに定義することができるため、ヘビーユ ーザはこれらのキーを活用してさらに効率をあげて います。これらのキーには、モデリングそのものの操 作ではなく、全般的に使用するコマンド、たとえば表 示関係のコマンドを割り当てて効率をあげている例 が多い、と石野氏は述べています。言わば、NXヘッズ アップGUIに出てこないものを定義することで、NXの GUIを補完するという使い方も可能になっているの です。 今、スズキではさらにSpaceMouseProの活用領域 が広がってきています。これからは、CAEの分野にお いての活用を考えています。「解析専任者も3DCAD の教育を受けているため、自分でモデリングして解 析結果を3Dモデルに反映させていますが、今後は その解析ツールでも3Dマウスが使用できるように なると良いと思います。」と述べています。 「今後は、3Dマウスの教育も積極的に進めていき たいと考えています。例えば、3Dマウスのファンクシ ョンキーは全てのユーザが使いこなしているとはい えません。3Dconnexion社には、そのような教育や 情報発信も期待しています」と石野氏は述べていま す。すでに、当たり前のツールとしてスズキの製品開 発に定着し、欠かすことのできないツールとなって いるSpaceMouseProですが、積極的な情報発信な どを通じて、3Dマウスの持つポテンシャルをさらに 引き出して、一層の製品開発の効率化が期待されま す。
3Dコネクション使用製品 | Space NavigatorTM |
---|---|
アプリケーション | NXTM |
いすゞ自動車株式会社はトラックやバス、自動車用ディーゼルエンジンや産業用ディーゼルエンジンの製造を主力業務としている日本を代表する商用車のメーカーです。製品の開発には、3D CADやPLMなどのシステムを日本国内のみならず北米やタイをはじめとする海外の拠点を含むグローバルに展開、フルに活用しており大きな成果をあげています。
このような開発の効率化を側面から支援しているのが3Dconnexionの3Dマウス「SpaceNavigator」です。現在では開発部門から生産部門まで開発プロセス全体にまたがって約2000台の3Dマウスが稼働しています。
いすゞ自動車における3Dマウス活用の歴史は古く、米GMとの協業がスタートした1990年台から、技術者が使用するPCやマウスをはじめとするハードウェアの一式として組み込まれ、誰もが標準的に使用できる環境が整っており、いすゞの設計者にとって3Dマウスを使用することは特別なことではありませんでした。現在では、いすゞが全社的に展開するシーメンスPLM社のNXやTeamcenterをはじめとするアプリケーションが使用される端末には全面的に3Dマウスが導入されています。
さらに、設計を行う担当者だけではなく、CAE用の端末やCAM用の端末を使用する技術者にも3Dマウスを使用する環境が広く普及しています。設計データを作成、編集する担当者だけでなくデザインレビューなど承認作業で3Dマウスが使用されることも日常的です。
いすゞ自動車のCAE・システム推進部シニアスタッフの井口利光氏は「当初デザインレビューに使用する貸出用のPCにはSpaceNavigatorがついていなかったのですが、なぜついていないのかという声があったくらいでした」と、いすゞにおける普及状態を述べています。
井口氏は3Dマウスを活用することの大きな理由の一つが「思考の継続性」であると言います。
3Dマウスが担う大きな機能の一つが3Dモデルを扱う時に頻繁に繰り返される移動や回転、ズームイン/ズームアウトです。普通のマウスを使用して同様の作業を行う場合、一旦マウスで行なっているモデリングの作業を中断してモデルを回転させる必要があります。ところが3Dマウスを使用する場合には、マウスを持つ手とは独立して、左手で直感的にスムーズに行うことができます。またマウスのように一度に複数のボタンを押す必要もなく、非常にシンプルな操作であるため思考が中断されないのです。
例えば、装置部品の設計においては、自在に目的の場所をズームインし、そのまま角度を変え、その場所にどのようにパイプを通すかといった検討を、右手で行なっているマウスの作業を中断することなく左手でスムーズに行うことできます。また、アセンブリを行う際も全体をグルっと回しながら、気になったところをパッとズームをかけることも容易です。NXで干渉チェックを行い、問題のある部分を詳しく見るためにズームインし、回転させながら状況を確認することも容易なのです。通常のマウスで行う時にありがちな、ズームイン時に回転させたらモデルが画面の外に飛び出してしまうということもありません。
「3Dマウスがない場合と比較すると、20%程度の作業効率の改善がはかられているのではないかと思います」と井口氏は述べています。
いすゞ自動車では、3Dconnexionのマウスの中でも小型のモデルであるSpaceNavigatorを中心に使用していますが、井口氏はそれが日本の事務所の作業環境に適合していると言います。アメリカの事務所の環境では大きな机が使用されることも多く作業スペースに恵まれています。
一方、日本の事業所の場合には業種を問わずスペースが少ないのが現実です。いすゞ自動車の場合、設計者にとって決して広いとは言えない机の上にCAD端末で使用する24インチのモニターの他に15インチのノートPC、マウスなどが置いてあります。それだけでも机をほとんど専有してしまいます。しかし、SpaceNavigatorは筐体が小さいため置く場所に困ることがありません。さらに通常のマウスと異なりSpaceNavigatorは移動や回転をする際にも本体を机の上で動かす必要がないため本体の場所さえ確保できればよいのです。
3Dconnexionのマウスのカスタマイズ性もエンジニアにとって魅力のポイントの一つです。押す、引く、回すなど操作の際に、自分の感触に合わせてマウスにかける力に応じたレスポンスを調整することができるのです。
例えば、比較的柔らかく操作する女性にとってちょうどよいレスポンスでも、同じ3Dマウスを力の強い男性が操作すると、移動や回転のスピードが早すぎたりします。しかし、個人が一番調度良く感じるレスポンスが得られるように感触を調整することで結果的にオペレーションの効率化に繋がっています。
井口氏はさらに欧米人に比べて比較的小柄な日本人に合わせてもう少し小ぶりなモデルが出来ればベターと希望を述べていますが、そのくらい3Dマウスはいすゞの開発業務の一部となっているのです。そのことを象徴するように、井口氏は「3Dマウスはいすゞの設計の生命線です」と3Dマウスのいすゞにおける重要な位置づけを述べています。